入れ歯のいろいろ

入れ歯の歴史

入れ歯の歴史はいつからでしょうか。驚くべきことに、紀元前700年ごろには義歯があったようです。

北イタリアのエトルリア人は、人間の歯や動物の歯を使って義歯を作っていました。この義歯はすぐ劣化してしまいますが、製造が簡単なこともありこの方法は、19世紀中ごろまで広く使われた技法でした。

日本では、7世紀に仏教とともに仏像用の蜜蝋技術が伝えられると、蜜蝋技術を応用した木床義歯が発展していきます。平安時代には僧侶を中心に使われるようになりました。日本最古の木床義歯は1538(天文7年)に和歌山市願成寺の尼僧仏姫が使った上顎用の黄楊製(ツゲ)のものです。江戸時代に入ると、仏師に代わって専業の入歯師が現れました。そして、庶民にも広く普及していきました。

ヨーロッパでは、15世紀には複数本の歯に対応した義歯が使われていました。骨や象牙を削って作ったり、死体の歯を使ったりしていました。亡くなったばかりの死体の歯を売却することも珍しくなかったといいます。型をとることが技術的に不可能だったため、これらの義歯は金属や絹の糸で周囲の歯に結びつけるのが普通で、あまり使い心地は良くなかったようです。特に問題は、骨や象牙を使った義歯が唾液で徐々に溶けていく点と、上の義歯の固定が難しい点でした。

17世紀のロンドンでは、歯科技工士や歯科医の先駆けともいうべき 'Operators for the Teeth' と呼ばれる人々が出現しました。元々は金細工や象牙細工の職人だったり、外科の役割を果たしていた理容師出身の人達でした。

最初の陶製義歯は1770年ごろ Alexis Duchâteau が開発しました。1791年、Duchateau の助手だった Nicholas Dubois De Chemant がイギリスで "De Chemant's Specification" という義歯に関する特許を取得しました。これは陶製の義歯とばねを使って上下の義歯を固定する方法を含んでいました。このような初期の義歯を使っていた有名人として初代アメリカ合衆国大統領のジョージ・ワシントンがいます。ちなみに、ジョージ・ワシントンは1764年には総義歯を使っていたといわれています。ワシントンの義歯は木製と言われていますが、実際にはカバの牙を原料としたものでした。ジョージ・ワシントンの義歯はマウントバーノン(米国・バージニア州)に展示されています。

1820年に、ロンドンの金細工師 Claudius Ash が18金のプレートに精巧な陶製の歯を埋め込んだ義歯を製造し始めました。従来の陶製の義歯はつながった形で作られていたのに対して、Ashの義歯は一本ずつ陶器で作ったものを、土台に埋め込む形になりました。さらに1850年代にはヴァルカナイト(エボナイト)を土台に使うようになった(Claudius Ash の会社はヴァルカナイト製造でも成功を収めました)。20世紀になるとアクリル樹脂などの合成樹脂が使われるようになりました。現在では、プラスチックや金、銀、チタン、セラミック、メタルボンドポーセレン(陶器)などの素材を使用しています。

どの素材を使うか?!という点に関しては、健康保険適用の保険義歯と健康保険適用外の義歯があるので、診療内容や義歯に使用される材料の違いによって、値段はずいぶん違ってきます。

虫歯ゼロを目指して

義歯の種類

差し歯

さし歯(さしば)とも表記されています。歯の根っこが残っている場合にのみ、使用可能の義歯です。

ブリッジ

ブリッジは、左右の歯を利用します。名前のとおり、歯と歯の橋渡しです。

インプラント義歯

デンタルインプラントと同じように、骨に穴を開けて埋入する手術が必要です。歯の状況や健康状態によっては不可能な場合もあります。また、一本の独立した歯の治療に使用するデンタルインプラントの事を指す場合もあります。

有床義歯

一般的に有床義歯は「入れ歯」と呼んでいます。

有床義歯には局部床義歯(部分入れ歯)と全部床義歯(総入れ歯)があります。局部床義歯は1歯欠損から1歯残存までの症例に使用される義歯の事を言い、全部床義歯は残存歯が全く無い症例に使用する義歯の事です。

部分床義歯は「床」「人工歯」「クラスプ」「レスト」「連結子」等から構成されています。全部床義歯は「床」「人工歯」のみで構成されています。

有床義歯を安定させるための入れ歯安定剤というものや、専用の入れ歯洗浄剤が販売されています。

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